2015年3月14日土曜日

音楽は将棋のように業界が公式に解説を提供すべき

最近将棋の動画を見て思うのだが、音楽も将棋のような現場の玄人が、素人から玄人までわかる解説を個人じゃなく業界全体として提供すべきなのではないかと。

1部は既におこなわれている、クラシックやジャズは。
しかし、あくまで学習者が金をだして能動じゃないと情報を獲得できないし、知らない曲の解説なんて理解できないし、楽譜と楽器の扱いが別で、大概はピアノで理論を説明するだけで、実際の音色や音価など素人には連想できない事が多い。

同じ楽譜でも楽器によってどこまで変わるか、同じ和音でも楽器が違うとリズムをどう変えたほうが良いか、などの情報は、今のところ個人の学習に依存している。
ポップスからサントラまで、歌から器楽まで、楽曲を問わずに楽譜(理論)から楽器の音色や演奏(実践)の差異を週1とか月1くらいで音楽業界の公式解説があると、素人の音楽への感心も少しは変えられるのではないか?

もちろん、多少はそれをやってる番組もあるが、素人にはその場限りで玄人には無意味の内容が多い。
商品として売られてる音楽の楽譜を音楽業界が公開し、消費者が楽譜を欲しがれば売る。
楽譜を書かない(書けない)音もあるので、それはシーケンサのデータや実際の音、マルチトラックでのソロ音源を流すとか。
そして、シンセを扱うならば、そこから音響、録音やミックスなどにも話をもっていけるし、機材による音質や音色にもいける。
現在CDの冊子は楽器の種類や参加者は明記されても、機材は無視されているが、マイクやシンセやエフェクタなども明記してほしい、と個人的には思っている。

コードという概念を知っていてもコード進行を無理解という人が多い。
そして、単純にコード進行を解説してる文章はあるが、和音の転回にまで言及はせず、更に音色に対する音程の選択も無視される。
それは、当然ながら素人には理解できないからだが、音楽を聞く機会と、音楽の知識を得る機会を、不可能だが同等になるよう目指す必要があると思う。

インターネットでも幾らかの解説はあるが、映像と楽器選択を備えたものは無い。
肝心なのは、調べてる人じゃなく、無知で何となく見てる人と調べてる人の両方を相手に出来るだけの具体性ある映像。
例えば、ピアノ演奏者ですら、楽譜だけよりもピアノ演奏の映像があったほうがわかりやすいし乗って楽しめる。

問題もある。
1つには金がかかるのだろう。
将棋の駒を変えるように楽器を変えるわけにはいかない。
そして、将棋と違い著作権の問題が出てくるのだろう。

音楽をやる人は、将棋と違い、狭苦しい制約(実は論理への偏見にすぎないが)を嫌がって、ただ発露したいだけの人がはまりやすい分野でもある。
そして、それは悪くないし、1つの指向としては当然だ。
しかし、音楽も論理性によって支えられ、故に歴史を重ねられたのだから、それを無視する人がいても、それを知る契機は幾らあっても構わないし、あるべきだと思う。

サントラなど作品のメイキングでも、具体性に欠ける人間感情ばかりで、音楽理論や楽器編成や演奏の差異などしっかりと扱ってるものが皆無と言って良い。
だから洋画のメイキングで「今回は楽器編成がこんだけのものやったぜ」とか見られるとそれだけで嬉しい。

音楽業界がすべきは、音質を聞き分けられない人が多い1部の自己満足ハイレゾなんかよりも、好きな曲がどう成り立っているのか、を可能な限り無料で、しかし能動の消費者に金を出させる提供ではないか。

全く無理なことではあるけれど、将棋関係者の挙動を見ていると、うらやましい。